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金沢倶楽部 月刊金澤-KANAZAWA STYLE- 知らないことが、いっぱいある。生活を豊かにする雑誌のチカラ。
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2014.04.30

クラシック熱、高まる。


ドイツの古典楽器の老舗『ノイペルト』社で学び、
その高い技術を認められた『金澤古楽堂』の輪島忠雄さん。
長いドイツ生活を終え、現在は白山市のアトリエでチェンバロの製造、修復を手掛けています。
今年の3月号のエディターズチョイスで取材をさせていただきました。

先日、輪島さんの素敵な古民家風のアトリエで
はじめてのサロンコンサートを開催するとのことでお招きいただきました。


このチェンバロは18世紀パリの楽器製作において名を馳せたブランシェ一族の一人、
フランソワ・エティエンヌ・ブランシェが1737年に製作した楽器を輪島さんが復元したものだとか。
囲炉裏を囲み、座布団に座ってチェンバロの音色に耳を傾けました。
輪島さん渾身のチェンバロを前に、
演奏した音楽家の杉本周介さんは「何かを突き付けられているかのよう」と表現しました。
精巧な楽器は、演奏者のすべてを映し出すから油断ならないというのです。


曲の合間に、杉本さんがチェンバロやバロック音楽の成り立ち、
歴史などについてお話をしてくださいました。
クラシックに明るくないわたしにもとてもわかりやすく、興味深いものでした。
チェンバロの歴史はピアノよりも随分と古く、
バロック時代には主に宮廷音楽を奏でられ、大活躍した撥弦楽器。
打弦楽器であるピアノとは異なる構造を持ちます。
音をピアノのように長く伸ばすことが実質できない、
音の強弱の幅がピアノに比べてかなり狭いなど、
実はいろんな制約があるのですが、
杉本さんが巧みな演奏技術で、
なんとも情感豊かに聴かせてくださいました。


パッと聴いた音色そのものも華やかで美しいのですが、
音譜が連なり、杉本さんの手によってメロディになると、
いっそう音がいきいきと感じられるのです。

輪島さんが「(同じ撥弦楽器である)三味線や琴の音色に親しんできた金沢の方には
きっとチェンバロの魅力がよくわかるはず」ともおっしゃっていました。
秋にもチェンバロのコンサートを予定しているとのこと。
なかなか聴けない本物のチェンバロの音色を、
またじっくり楽しめる日が今から楽しみです。

演奏後、杉本さんが印象的なお話をしくださいました。

今はなんでも均一化がはかられていて、
音楽の世界でもそれをよしとする流れもあるけれど、
バロック音楽とはそもそも、
その語源(「いびつな」「激しい」といった意味も)からもわかるように
そういうものではないものに魅力を見出したものであり、
チェンバロはまさに、そんな音楽を表現するのにはぴったりなのだと。
ますます興味がわいてきました。


高まるクラシック熱、まずはラ・フォル・ジュルネ金沢(http://lfjk.jp)で満喫しようと思います。

(編集部/田中佐和)


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