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金澤編集部ブログ

金沢倶楽部 月刊金澤-KANAZAWA STYLE- 知らないことが、いっぱいある。生活を豊かにする雑誌のチカラ。
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2011.02.28

恐ろしい世界


昔、探偵になりかけたことがある。

二十代の後半、放浪生活に終止符を打った私は、そろそろ腰を落ち着けて働こうと職を探していた。そのとき目にしたのが、名古屋に本部を置く、とある興信所の求人広告だった。金沢に支所を出すにあたり、職員を募集していたのである。

世間知らずで非常識。二十代後半で定職にもつかず、髪はロン毛。ほんの軽い気持ちで履歴書を送ったところ、なぜか担当者に気に入られ、電話口で「探偵心得」をとくとくと説かれた。そして最後に、彼はこう締めくくった。
「ということで、金沢支所をぜひ、君に任せたい」

恐ろしい世界だな、と思った。仕事の内容もさることながら、履歴書一枚で、こんな私に支所を任せようというのである。私はきっぱりとお断りした。こちらからアプローチしておいて何ですが。

知り合いから「興信所」に依頼してみようと思っているんだけど・・・と相談され、私はそんな昔話を思い出した。私だったら近寄らない、とだけ知り合いには助言した。少なくとも、誰もしあわせにはなれないだろうと。

そういえば、数ある私立探偵小説を読んできたけれど、「めでたし、めでたし」といった結末に至ったという記憶がない。ちなみに私の好きな私立探偵小説の主人公は、フィリップ・マーロウとマット・スカダー。

※この本の内容もかなりエグイです。イースト・プレス刊

(編集部/若林)

2011.02.25

時計を眺める。


先日、金沢21世紀美術館に立ち寄った際に、
ユニークな展覧会が行われていました。


壁一面にレトロな置き時計がずらり。
金沢在住のコレクター、山田訓さんが集めたものだそうで、
国産の置き時計が400点、1960年代に作られた物を中心に並んでいました。

ポップなプラスチックの色だったり、手の込んだ文字盤だったり、数字のフォントも独特。
古い物だけど、デザイン性に富んだ時計は、新鮮に目に映ります。
中には(昔、父がこういうのを使っていたような・・・)と懐かしくなる時計も。

1960年代というと、たしか、高度経済成長時に、プロダクトデザイナーが企業に普及していった時代。
Macintoshが無い時代ですから、デザイナーがスケッチを描いて作っていたのかな・・・、とか、文字盤のフォントのデザインも手描きでスケッチしていたんだろうな~などと、色々と想像しながら楽しみました。

    
「MADE IN JAPANの置時計 1960年代を中心に」
会期:2月5日(土)~5月29日(日)
金沢21世紀美術館 デザインギャラリー(入場無料)

                   ※

さて、現在は4月号(3月20日発売号)の制作作業のラストスパート!!
刻々と時計の針が過ぎていく中、編集部ではまさに時間との闘いが繰り広げられております。
あと一息!

編集部/佐々木美絵

2011.02.24

主計町にて


金澤4月号の特集「町家で楽しむ、おいしい時間」の取材で、
主計町の『嗜季』さんを訪れました。

 昼は茶房、夜は予約制の酒房となるこのお店。
明治時代に建てられたというお茶屋を利用した空間は、
しっとりとした趣を感じさせます。

店内には、店主自らが選び、「まるで子どものよう」と大切にする
骨董の器がディスプレイされています。

お茶を淹れる際には、来店された方の雰囲気などから想像をめぐらせ、
その方に合った器を選ぶのだそう。
どんな器でお茶をいただけるか、楽しみになります。

2階からは、浅野川を望むことができ、桜の木も目の前。
桜の季節を思うと、わくわくします。

こちらは、おすそわけにといただいた
主計町の和菓子処『はやし』の桜餅。

 

今年初の桜餅・・・

桜の葉の香りと、
鮮やかな道明寺のつぶつぶ、もちもちとした食感を久しぶりに味わい、
また、ひとつ春を感じました。

(編集部 品川)

2011.02.23

岩瀬を訪ねました。


大人の遠足特集で、
先日から富山市の岩瀬に何度か通っています。
富山、岩瀬といえば桝田酒造の「満寿泉」が有名ですが、
社長の桝田さんが
「訪れた人たちが酒をもっと好きになるような街にしたい」と
古の趣を残す土蔵や築100年前後にもなる家屋を再生し、
気鋭の料理人や器作家たちなどを招き、
長年に亘って街の新たな魅力を育んでこられました。

今日はお蕎麦が評判の「丹生庵」さんにうかがったのですが、
古い材木問屋を利用した素敵な空間にはなんとグランドピアノが。
なんとも多彩で遊び心たっぷりのご主人は、
興にのると鮮やかな手つきで弾いてくださいます。
今日はショパンの一曲を聴かせてくださいました。
歯ごたえのよいお蕎麦はもちろん、
塩うにやたたみいわしなどのつまみもあるので、
グラス一杯200円でいただける「満寿泉」もぐいぐいすすみそうです。
改めてゆっくりお蕎麦と日本酒をいただきに行こうと誓いました。

そんなこんなですっかり日本酒モードになり、
やはり取材でおじゃました「酒商 田尻本店」さんで思わず晩酌用の一本と、
帰りに立ち寄った呉羽SAでおつまみを購入。

河内屋さんの「スティックチーズかまぼこ」と「ほたるいか素干」という
なんだか男らしいセレクトです。
岩瀬の「野村商店」さんの昆布巻との相性も抜群でした。
やっぱり地元のお酒には地元の食材が一番ですね。

岩瀬まで金沢から車で1時間30分と近いですが、
電車で訪れることをおすすめします。
なぜなら、日本酒を飲まずにいられなくなるから!
路面電車「ポートラム」が遅い時間まで走っているのでご安心ください。

小さな電車の向こうに白く連なる立山連峰、見えますか?

電車からの風景はもっときれいなはず。
なにはともあれ、岩瀬の詳しいご案内は4月号をご期待ください!

(編集部/田中佐和)

2011.02.22

こころの休息


週末、白川郷へ。

今冬のライトアップの最終日とあって、
全国各地から大勢の人が来ていました。
さすが「世界遺産」です。
みなさんカメラをかまえ、日が暮れるのを今か今かと待っています。
 

展望台まであがると、ポスターや観光ガイドの写真でよく見かけるあの風景が
目の前に広がり、とてもきれいでした。

すっかり日が暮れた集落を散策すると、
まるで「日本昔ばなし」の世界に迷い込んだようです。
                                                           

金沢から白川郷までは片道・約1時間半。
日帰りで楽しむことも充分可能なエリアですが、
今回は、雪山を眺めながら日がな一日過ごしてみたい・・・と
宿泊することに。

宿泊先は合掌集落から車で15分ほどのところにある、
スキー場近くの民宿『白弓荘』。
宿が建ち並ぶ一帯から少し離れ、ひっそり静かに佇む一軒です。
山々に囲まれるようにあり、
部屋の窓の外に広がるのは、理想どおり、雪化粧した山のみ。

やさしいお父さんと気さくで明るいおかあさんの対応も心地よく、
安らいだ時間を過ごしました。
おかあさんが作ってくれる食事には、
その日に採れたタラの芽の天ぷらやふきのとうの味噌のほか、
特産の深山豆富や朴葉味噌、岩魚など地元の山の幸がいっぱい。
これはほんの一部です。
                              

日中は、天然温泉施設『白川郷の湯』に行き、体を温めたり、
近くの蕎麦屋『乃むら』で手打ち蕎麦と昼酒(どぶろく)をいただいたり。

天候にも恵まれ、こんな青空と雪景色を見ながら過ごした週末。

(これは帰りの城端SAでの写真ですが、ずっとこんな景色を見て過ごしました)

心も体もすっかり癒され、おかげさまで
元気いっぱいで新しい一週間を迎えることができました。
4月号の制作も大詰め! 頑張るぞ!!

(編集部:東 知愛子)

 

2011.02.21

とっておきの一冊


香林坊での取材の前に、109のシネモンドに立ち寄る。映画『森崎書店の日々』上映にあわせて、「オヨヨ書林」「あうん堂」「NYANCAFE-BOOKS」の3店がとっておきの映画関連本を置いた【出張ひとはこ古本市】をやっていると聞いていましたので。

さすがの品揃え(ぜひ、その目で実際に確かめてください)で、ガラス越しに並んだ背表紙を見ているだけでも楽しい。持っている本もあれば、ほしくても買えなかった本などもあって、映画に夢中になった若き日々を思い出す……。

ふと、自分なら何を置く――と考えてみる。「売る」「手放す」ことを前提にすると話は違ってくるのだけれど、単に「とっておき」の映画本を揃えるとすれば、第一に和田誠さんと山田宏一さんの共著、『たかが映画じゃないか』を外すわけにはいかない。いったい何度読み返したことか。まだビデオレンタルが始まる前、そして始まったところで1本1,000円以上もした時代にまるで銀幕に魅入るのと同じようにしてむさぼり読んだ1冊。紙は色褪せ、インデクッスの映画のタイトルの頭には実際に見た分は赤鉛筆で丸印がつけてあるなど、どのみち他人様に売れる代物ではないのだけれど、いまなおいつでも読めるように、常に枕元に置いてある。たぶん、絶版。

※和田誠さんのイラストを見るだけでも映画的興奮が味わえる。

(編集部/若林)

2011.02.18

福井へ。


今週は取材ウィーク。福井県坂井市(丸岡町・三国町)へと行って参りました。

水曜日は天候にも恵まれ、とっても気持ちのよいものでした。
写真は取材中に見かけた桜の木です。枝先には、芽が膨らんでいました。花が咲くのはまだ先だけど、着々と春の準備を進めている桜の木を見ると、なんだか心も浮き立ってしまいます。

さて。
日が落ちる前に撮影しなければー!とあちこちへ飛び回っていたら、昼食タイムを逃してしまいました。ようやく食事にありつけたのは16時。

    
   
もはや夕飯に近い時間帯で、どこも営業時間外・・・。空はあんなに晴れているのに、空腹がMAXに達した私の気分は雨模様・・・でしたが、取材先の方にお聞きした、三国町にある『バードランド』さんは9:00~21:00まで営業している、とのことでお邪魔しました。こちらは「真のナポリピッツァ協会」の認定店ということでもあって、期待も高まります。

ナポリピッツァの代表格、「マルゲリータ」と、お店の看板メニューだという「カプレーゼ」を1枚ずつ頼んで、カメラマンさんとシェアしました。

写真は、「カプレーゼ」(1,580円)。このビジュアル。テンションがググッとあがります!生ハム、トマト、チーズ、そしてルッコラがたっぷり乗っております!

石窯から焼きたての熱々ピッツァを切り分けて、パクリ。

「・・・おいひい!」

ふんわりもちもちの食感で、それはそれは美味しく、くわえて、朝から何も口にしていなかったので、30cmほどのボリュームでしたが、二人で2枚をたいらげてしまいました。

そんなわけで、美味しいお店に出合えて幸せな気分で、帰路へとついたのでした。

   
さて、2月20日は月刊「金澤」3月号の発売日です。

巻頭特集は 「魅力満載の日帰り温泉」!
自慢の温泉に加えて、エステや美食など、プラスアルファのお楽しみが満載の日帰りプランをたっぷり紹介しております。
書店やコンビニエンスストアでお手にとってくださると幸いです。

(編集部/佐々木美絵)

2011.02.17

春るるる・・・


今週は、取材でいろいろな場所に出かけております。
行く先々で目にするディスプレイや商品もすっかり春。

今月20日発売の金澤3月号に掲載の『PUSHPA(プーシパ)』さんにも
春らしいアイテムがたくさんでした。

 野田町にあるこのお店は、店主の中村さんがインドで仕入れた布を使ったアイテムや、
地元作家のアクセサリー、器、服などが手に入る雑貨店。

現在、「春るるる インドのカタカタ手仕事」と題した企画を開催(3月5日まで)しており、
インドのブロックプリントと刺し子のアイテムが豊富に揃っていました。

※色とりどりのブロックプリント

 

※こちらもブロックプリント

※刺し子のストール

 

木のはんこに染料をつけて手押ししたブロックプリントの布も、
ひと針ひと針を積み重ねた刺し子も、
手仕事ならではのあたたかみに溢れています。

ちなみに企画タイトルの「カタカタ」は、
ブロックプリントの「カタ=型」と、
ベンガル語で刺し子を意味する「カタ」にちなんだものだそう。

※ブロックプリントに使われる木のはんこ

店内に並ぶ、ストールやスカート、バッグにエプロン、のれんやカーテン。
いずれも春を思わせる色柄と質感にうっとり。

 

コートを脱ぐ日が待ち遠しくなりました。

(編集部 品川)

2011.02.16

タイムスリップ。


久々の快晴ということで、
お出かけ特集の取材で富山の氷見、岩瀬を周りました。
ようやく暖かくなったとはいえ、
氷見はまだ雪がたっぷりと残っていました。
まずは、山奥にある旧赤毛小学校へ。
廃校になった古い小さな校舎を、
木工、陶芸、とんぼ玉の作家さんが
工房、ギャラリー、カルチャー教室として活用しています。
古い古い建物と、
あたり一面、屋根までも積もる雪にとにかく圧倒されながら
恐る恐る建物に入ると、
IKARI木工舎の五十里さんがやさしく迎えてくださいました。
「古い校舎での作業は、ものを大事にすることに繋がっている。
ずっと使ってもらえるものを作りたい」と話す五十里さんの
キラキラとした瞳が印象的でした。
歩くたびに床が軋む古い校舎を、
自分が通っていた小学校はどんなだったろうと思い出しながら
ゆっくり見学させていただきました。

古いオルガンもそのままに。

体育館ではこんなものを発見。
何かわかりますか?

竹スキーだそうです!
青々しい竹がなんだか涼やかで
雪とのミスマッチがおもしろいですよね。
なんと界隈のご年配の方も現役で使っていらっしゃるそうですよ。
この冬の豪雪には、
高岡から十年ほど当地に通っているという五十里さんも驚いたそうで、
外を歩く時には「かんじき」を使ったそうです。

また、この近くには老谷という椿の名所があります。
春、満開の時期を過ぎるとあたり一面に花が落ち、
まるで真っ赤な絨毯を敷いたようになって
それはそれはきれいなのだそうです。
春が待ち遠しいですね。

里山の風情と海沿いのドライブを楽しめる氷見エリアのほか、
感度の高い大人の注目を集めている岩瀬エリアなど、
盛りだくさんの大人の遠足特集は4月号でご紹介します。
発売はもうちょっと先ですが、お楽しみに。

(編集部/田中佐和)

2011.02.15

能登にプチ旅


無計画で迎えてしまった三連休。
ふと思い立ち、輪島市門前町の總持寺祖院へ。

永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山として栄えてきた由緒があり、
開山した瑩山紹瑾禅師は、大乗寺の第二代住職でもあります。
永平寺や、大乗寺は何度も訪れているのですが、
總持寺へはなかなか行く機会がなく、初めて。


明治31年の大火で多くを焼失したそうですが、
壮大な山門の立派な木組みや、
災禍を免れた経蔵の趣ある佇まいなど、
大本山の面影、祖院としての風格が感じられ、
しみじみと見入ってしまいました。

とはいえ、能登半島地震の傷跡はまだ完全には癒えておらず、
法堂は修復中、壁が剥がれ落ちたままになっている箇所も散見され、
一筋縄にはいかない復興の大変さを物語っていました。

帰りには、門前の蕎麦屋『手仕事屋』さんに寄ろうと決めていたのですが、
16:00までの営業とのことで、間に合わず、
ちょっと車を走らせ、『夢一輪館』さんへ。

私が注文したおろしそばは、能登の合鹿椀に盛られて。
(撮影前にうっかりかき混ぜてしまい、盛り付けを崩してしまいました・・・
本当はかつお節がたっぷりかかっています)

お蕎麦そのものもおいしいのですが、
それ以外にも『夢一輪館』ならではの味がいろいろ。
だしには、能登の海でとれたトビウオを
ご主人自らが乾燥させて炙った焼きアゴを使用。
添えられた一皿には、豆腐を自家燻製にした「畑のチーズ」や、きのこの煮物、
能登伝統野菜の金糸瓜の漬物など、地元食材を使った品。

同じ石川県でも、また違う風情が楽しめる能登。
ちょっとした旅気分を味わうにぴったりです。

(編集部:東 知愛子)

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