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金澤編集部ブログ

金沢倶楽部 月刊金澤-KANAZAWA STYLE- 知らないことが、いっぱいある。生活を豊かにする雑誌のチカラ。
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2015.04.04

『6才のボクが、大人になるまで。』


シネモンドで現在上映中の映画、『6才のボクが、大人になるまで。』を先日観てきました。

リチャード・リンクレイター監督が、12年の歳月を掛けて同じ役者を撮影した本作は、
6才の少年が18才になるまでの成長と、彼を取り巻く環境の変化を描いた作品です。
日本でも、ドラマ『北の国から』などで、同じ役者が長期間にわたり演じることがありますが、
本作はそれを2時間45分の映画で実現したのが凄いところ。

もともと同監督の作品の大ファンであることから、本作品をとても楽しみにしていました。
我慢しきれずに、YouTubeで監督や共演者のインタビュー映像などを見て、
予備知識と期待満タンで臨んだため、「ガッカリしたらどうしよう」と逆に心配にも・・・・。

しかし、そんな心配も全く無用。異なる時期に撮られた映像の繋ぎ目を感じることなく、
映画の世界にどっぷり浸かることのできた、本当に素晴らしい作品。
今ではすっかり忘れていた、子供の頃の他愛もない行動が描かれていたりと、細部も光っていました。

どの年代が見ても楽しめますし、大切な人や家族と一緒に映画館で見て頂きたい作品です。
シネモンドでは、4月10日(金)までの上映なので、お早めに!

(編集部/白浜)

2012.09.03

今日はこんな日。


1966年の9月3日(今日)、
故意に子どもを車に轢かせて慰謝料を詐取していた当たり屋夫婦が逮捕された。
この事件は、後に大島渚が映画化したことでも知られる。
タイトルは『少年』。

当時、当たり屋という犯罪自体はさほど珍しいものではなかったらしいのですが、
親が子どもにやらせていたということが社会の注目を集めました。

映画は低予算で作られ、主演の少年役は施設に入っていた孤児だったそうです。
映画公開後、彼には養子縁組の申し出があったが、これを断り、施設に戻ったとのこと。
何とも哀しい映画でしたが、当たり屋行脚の末に北海道へ渡り、
少年が自分がやっていることの「真実」を知る(というか目の当たりにさせられる)
雪のシーンが印象に残っています。

(編集部/若林)

2012.06.11

今夜は2本立て


今日は「傘の日」。
毎年、この日が「入梅」に当たることが多いからだそうです。

雨傘で思い出すのは『シェルブールの雨傘』です。
そのオープニングシーンが秀逸。
シェルブールの港を眺めるカメラがパンダウン、
カメラはそのまま石畳を真俯瞰でとらえます。
ほどなく雨が降り始め、通り過ぎる一人の女性が傘を開くと、
その後、固定されたカメラの下を、
いろんな色の傘の花が横切っていく・・・。
フランス映画らしい、洒落たタイトル・バック。
今夜はこれを見直すつもりです。

そして、今日はジョン・ウェインの命日でもあります。
彼は胃がんで亡くなりましたが、
その原因の一つとして考えられているのが、
ネバダ核実験場の風下で撮影を行なった(『征服者』)ということ。
大飯原発の再稼働問題も結論間近になってきたこの時期、
彼の死を悼むことも無駄ではないはず。
今日くらいは涙を流すのもいいでしょうということで、
絶対に泣ける1本、『捜索者』を。

今夜は、この2本立てで。

(編集部/若林)

2012.05.28

子どもエネルギーを活用できれば。


週末、5歳の息子と9か月の娘と遊んでいて、
いつもながらに子どもの尽きることのないエネルギーに触れ、
これを何とか電力不足の解消に利用できないものかと思案する。

と、そんな映画があったわよと姪に貸してもらったのが、
ピクサー社のCGアニメ『モンスターズ・インク』。

今さらながら、これが滅法おもしろい。
怪物たちが子どもたちの恐怖の悲鳴を集め、
これをエネルギーとして利用しているのだが、
なんだかんだあって、結局のところ、
悲鳴より「笑い」の方がエネルギー量にすぐれているという結論に。

みんなが笑顔になれるエネルギーがあればいいですよね。

現在、編集部はかなりキワドイ綱を渡っている〆切の最中。
エネルギー切れ、寸前です。

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(編集部/若林)

2011.07.25

原田芳雄は死なない


7月19日、俳優の原田芳雄さんが亡くなった。また一人、大好きな役者がこの世を去った。

原田さんには、一度だけ、実際にお会いしたことがある。映画『夢二』の撮影現場にお邪魔し、インタビューに同席させてもらったのだ。『八月の濡れた砂』の、『赤い鳥逃げた?』の、『竜馬暗殺』の、『闇の狩人』の、あるいは『ツィゴイネルワイゼン』や『生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言』の原田芳雄が眼の前にいる。傍らで興奮を隠しつつ、ただ取材の様子を眺めていただけだったのだけれど、そんなミーハーな若造にも原田さんはとても気をつかってくださり、ときおり私の眼を覗き込みながら、答えてくださった。

哀しい気持ちで、『反逆のメロディー』『竜馬暗殺』『浪人街』の3本をDVDで見た。しかし映画を見ているうちにいつしか俳優・原田芳雄の魅力にすっかり引き込まれ、それまでとなんら変わらない映画的興奮に心を躍らせている自分がいた。

原田芳雄さんは映画の中に生き続けていた。

(編集部/若林)

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やっぱり、フレンチはいいですよ!

2011.07.11

映画の台詞から


週末に4歳の息子と一緒に『ジュラシック・パーク』を見る。
よくできた娯楽映画だなと改めて感心しつつ、次の台詞が印象に残った。

科学は農薬を作りだすが、それを使うなとは言ってくれない

結局のところ、描かれているのは人間の愚かさ。

そこで思い出したのが、フェリーニの『甘い生活』。こんな台詞があったはず。

私は平和が何よりも恐ろしい。地獄を隠しているような気がして

“平和ボケ”と長らく言われつづけてきた日本。その仮面の下にはどれだけの地獄が潜んでいるのでしょうか。


(編集部/若林)

2011.07.04

カリフォルニア・ドールス


先週、このコラムでピーター・フォークの訃報に接し、彼の出演作をいくつか紹介したのですが、ひとつ、大変におもしろい映画を忘れていました。『カリフォルニア・ドールス』(1981年)。アメリカの女子プロレス界を描いた作品で、日本からもミミ萩原&ジャンボ堀が出演していました。

評価としては、当時、ほとんど無視されたと思います。ピーター・フォーク主演ということで、何とか公開されたのではなかったでしょうか。

金沢では『ロッキー3』との2本立て(あきらかに添え物扱い)で公開。当時、高校生だった僕は『ロッキー3』目当てで映画館に行ったわけですが、この添え物が滅法、面白く、やがて大学生になって映画狂に育った頃、監督であるロバート・アルドリッチという名前を知ることになります。ハリウッドの50年代、60年代を語るとき、非常に重要な名前です。男の世界を描くことに定評のある人でしたけれど、彼の映画でときどき描かれる女性は妙に艶っぽく、『アパッチ』のジーン・ピータースや『ガン・ファイター』のドロシー・マローンなど、いずれも忘れがたい印象を残しています。

そんなアルドリッチの遺作となったのが、本作。女子プロレスラーに扮するヴィッキー・フレデリックも悪くないです。DVD化されていないのでなかなか見ることはできないのですが、ピーター・フォーク追悼として、どこかのテレビ局でやってくれませんか?

※写真は海外版DVD

(編集部/若林)
※今夜、NHK-BSで刑事コロンボ『二枚のドガの絵』が放映されます。シリーズの中でも屈指の名作。お時間があれば、ぜひ!

2011.06.27

コロンボ、逝く。


ピーター・フォークが亡くなった。享年83歳。ここ数年はアルツハイマー病に冒されていたと聞いていたので、ただただ静かな最期であったことを願うばかり。ご冥福をお祈りします。

ピーター・フォークといえば何より「刑事コロンボ」。90年代以降の新シリーズはほとんど未見ですが(正直、面白くなかった)、70年代の旧シリーズはすべて見ています。「?」な作品もなくはないのですが、おおむね楽しませていただきました。個人的なベスト5は以下の通り――

二枚のドガの絵 (犯人/ロス・マーティン)
別れのワイン (犯人/ドナルド・プレザンス)
歌声の消えた海 (犯人/ロバート・ヴォーン)
魔術師の幻想 (犯人/ジャック・キャシディ)
殺しの序曲 (犯人/セオドア・バイケル)

なかでも1作にしぼるとするなら『二枚のドガの絵』。犯人の憎らしさ、展開の速さ・巧みさ、ラストの鮮やかさ、どれをとっても素晴らしいの一言。ラストの余韻という点では『別れのワイン』も捨てがたい。

映画なら、盟友ジョン・カサヴェテスと組んだ作品群が忘れがたい。ジーナ・ローランズと夫婦を演じた『こわれゆく女』はシリアスな役柄。その内容の哀しさ故に、もう一度見たいような、見たくないような……。

日本での人気・知名度を考えれば、追悼番組もあるかもしれませんね。ピーター・フォークがシナトラやビング・クロスビーと歌で共演した、ミュージカル・コメディの傑作『七人の愚連隊』あたりをやれば面白いのに。

(編集部/若林)

2011.05.30

今日は何の日(2)


本日、5月30日はジャンヌ・ダルクが火刑に処された日(1431年)です。ということで、ジャンヌ・ダルクを描いた映画『裁かるゝジャンヌ』をご紹介。

これは1928年のサイレント映画で、監督はデンマークの巨匠、カール・ドライヤー。「映画の最初の世代の王様たち」(by フランソワ・トリュフォー)の一人で、代表作はほかに、『吸血鬼(ヴァンパイア)』『奇蹟』などがあります。

タイトルからもわかるように、『裁かるゝ~』は所謂「異端審問」を描いています。そしてドライヤーは、スクリーン上から「余計なもの」を徹底的にそぎ落としました。もともとサイレント映画ではありますが、まず、まったくの無音(伴奏音楽もなし)。舞台となるルーアンの町の全景セットを作ったらしいのに、これを見せない。審問場のセットも一部しか見せず、画面のほとんどは顔のクローズアップ。

この顔のクローズアップが、とにかく素晴らしいのです。審問官の表情の変化、それと並行して変化するジャンヌの表情。とりわけジャンヌの表情は「恐怖」から一瞬「恍惚」へ、そして「落胆」へ。静かなのに、その表情の変化する様は圧倒的な迫力で迫り、息を詰めて見入ってしまう。

ジャンヌを演じたのは、ルネ・ファルコネッティという舞台女優(他に映画出演を知らない)。ジャンヌ・ダルクを演じた女優といえばイングリッド・バーグマンが有名ですが、かの名優も(二度、ジャンヌを演じたけれど)、ファルコネッティの表情を超えることはできなかった。ちなみにバーグマンがジャンヌを演じた映画は次の2作――

『ジャンヌ・ダーク』(1948年) ヴィクター・フレミング監督
『火刑台上のジャンヌ・ダルク』(1954年) ロベルト・ロッセリーニ監督

『火刑台上~』のときはバーグマン、39歳。ジャンヌは19歳で処刑されているので、その差は20歳。監督のロッセリーニは“ネオレアリスモ”の代表作家。ゆえに、このときのバーグマンのクローズアップはさすがに厳しかった。

(編集部/若林)

2011.02.14

バレンタインデー


今日はバレンタイデー。編集部内で男は自分一人。ということで、今年も女子部員のみなさんから「義理」をいただきました。

さて――
82年前の今日(1929年2月14日)、アメリカのシカゴで「聖バレンタインデーの虐殺」と呼ばれる事件が起きたことをご存知でしょうか。アル・カポネ(1899~1947)指揮による(といわれる)ギャングの抗争事件で、これは『聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ』というタイトルで映画にもなっています。監督はB級映画の帝王、ロジャー・コーマン(1926~)。そのハードな実録タッチは、後の『ゴッドファーザー』(1972)や『仁義なき戦い』(1973)などにも影響を与えたといわれています。アル・カポネ扮するジェイソン・ロバーズ(1922~2000)がイイ味出していて、また殺し屋の運転手役で、あのジャック・ニコルソン(1937~)も特別出演しています。


※『聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ』1967年

もう1本、こちらは「虐殺」をパロディにしてしまっているのですが、マリリン・モンロー(1926~1962)で有名な『お熱いのがお好き』。伝説のギャングスター俳優、ジョージ・ラフト(1903~1980)がアル・カポネを想起させるギャングの大親分に扮して登場します。といっても、この設定は映画にとってちっとも重要ではなく、本作はひたすら笑えるクレイジーなコメディとなっています。モンローの魅力を最も引き出した作品、ということもできるかと。また、映画の最後を締める名台詞には、日々、大いに勇気づけられています。


※『お熱いのがお好き』1959年/ビリー・ワイルダー監督

機会があれば、両作ともご覧ください。

(金澤編集部/若林)

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